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【BAR TALK】現役自衛官の中国大使館侵入事案にみる、思想のブラックボックス。あなたは開けますか?

中国大使館に侵入したのが、ただの匿名の人物ではなく、現役の自衛官だった。

この一点だけで、多くの人が少しぞっとしたはずだ。 肩書きや制服や日常の顔は見えていても、その人が本当は何を信じ、世界をどう見ているかは、ほとんどわからない。 政治の話は重い。宗教の話は踏み込みすぎ。思想の話は危ない。 だから私たちは、隣人の“中身”を知らないまま、案外すぐそばで暮らしている。


でも――本当は、ちょっと気になる。


あの人は、何を信じているのだろう。


隣人の思想は、どこまで見えているのかー


マスター:今回の件、事件として怖いのはもちろんなんですけど、それ以上に引っかかったのは、現役の自衛官っていう肩書なんですよね。いちばん“中身が安定してそう”に見える人でも、内側では何を信じているかわからないんだなって。 (テレ朝NEWS)


常連客:そこなんだよ。人って、制服とか職業とか、話し方とか、日常の振る舞いで「だいたいこういう人だろう」って安心したがる。でも実際は、その奥にある政治の信条とか宗教観とか国家観って、ほとんど見えていない。見えていないのに、こっちは勝手に“普通そう”“安全そう”って思ってる。


マスター:たしかに。近所の人も、同僚も、常連さんも、毎日顔を合わせてるのに、その人が本当は何を信じてるのかなんて、案外まるで知らないですもんね。


常連客:そう。しかも政治とか宗教って、いちばん人の芯に近いのに、いちばん聞きづらい。支持政党を聞くのも空気が重いし、どんな信仰を持ってるか聞くのは、かなり踏み込みすぎになる。でも本当は、みんなちょっと気になってるんだよ。この人、いざとなったら何を優先するんだろう。国か、家族か、思想か、信仰か。


マスター:わかる気がします。普段は感じのいい人でも、深いところに何を置いてるのかは、こっちには見えてない。


常連客:でしょ。だからこの事件、ニュースとしては「中国大使館に侵入」「現役自衛官を逮捕」で終わるんだけど、本当にゾッとするのはそこじゃない。隣にいる人の中身って、最後までわからないかもしれないってことなんだよ。 (テレ朝NEWS)


マスター:それ、かなり不気味ですね。笑って話してる人の中に、全然別の地図が入ってるかもしれないわけだ。


常連客:そう。しかも今はSNSがあるから、余計に見えなくなってる。リアルでは穏やかでも、ネットでは過激な思想にどっぷりかもしれない。逆に、普段は無口でも、匿名空間ではものすごく熱い政治的信条を持ってるかもしれない。つまり今って、生活の距離は近いのに、思想の距離は測れないんだよ。


マスター:近くに住んでる。でも中身は遠い。それって、かなり今っぽいですね。


常連客:しかも、みんな本音ではやりたいんだよ。思想チェック。


マスター:出ましたね、その言葉。でも実際、それって口にすると急に危ない感じになる。


常連客:危ないよ。だから普通は言わない。でも、心のどこかではやってる。この人は保守なのかリベラルなのか。この人は宗教を持ってるのか持ってないのか。この人は“何を神聖なもの”だと思ってるのか。みんな露骨には聞かないだけで、会話の端々や反応の癖から、うっすら隣人の思想を読もうとしてる。


マスター:たしかに。ニュースの話を振った時の反応とか、戦争の話になった時の顔つきとか、移民とか宗教の話題で急に熱を帯びる瞬間とか。ああいうのって、ちょっと見ちゃいますね。


常連客:そうそう。しかも面白いのは、人は年収よりも、学歴よりも、実は“何を信じているか”の方に惹かれるし、怯えるんだよ。財布の中身より、頭の中身の方が、ずっと人間関係を壊す可能性があるから。


マスター:それはたしかにそうかも。年収が違っても飲めるけど、信じてるものが真逆だと、一気に空気が変わることありますもんね。


常連客:ある。しかも怖いのは、違うことそのものじゃない。違うのに、長いこと気づかずに隣り合って暮らせてしまうことなんだよ。それが一番、日常的で、一番ぞわっとする。ずっと笑って話していた。でもある日、ひとつの事件、ひとつのニュース、ひとつの国際問題で、その人の中の旗が急に見える。あの瞬間って、ちょっと怪談なんだよ。


マスター:怪談か。幽霊が出るんじゃなくて、隣人の中に知らない旗が立ってる話。


常連客:まさにそれ。しかも、その旗は普段は見えない。本人だって、簡単には見せない。なぜなら、思想も信仰も、その人の最後の砦だから。趣味は見せられる。仕事も見せられる。でも信条は、見せた瞬間に人間関係が変わるかもしれない。だから隠す。隠すから、余計に気になる。


マスター:なるほど……。聞きたいけど聞けない。でも気になる。しかも知ってしまったら、今まで通り隣人でいられないかもしれない。


常連客:そうなんだよ。このテーマの面白さって、事件を消費することじゃない。隣人の思想を、私たちはどこまで知りたいのか。もっと言えば、本当に思想チェックなんてしたいのか。知ってしまった後の世界まで、ちゃんと引き受けられるのか。そこなんだよ。


マスター:それ、かなり続きを聞きたくなりますね。みんな本当は気になってるのに、誰も正面からは言わないやつだ。


常連客:でしょ。昼の職場では話せない。SNSでは雑すぎる。でも、酒が入って少し本音が緩んだら、急に話したくなる。隣人は本当は何を信じているのか。そして自分は、何を信じている人間として見られているのか。そのあたりから、会話は一気に深くなる。 で、マスターは何を信じて生きてる?


マスター:そうですねぇ、じゃあ僕も一杯もらっていいですか?


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